前夜の雨にも負けず、今月の知恩寺は大賑わいとなりました。足元が悪い中、お越し下さってありがとうございました。
行き交う人の装いも秋色に染まり始め、ようやくホットの季節がやって来ましたね。
コーヒー好きな方は圧倒的にホット派が多いようです。これにはいろいろ理由があると思いますが、味覚と嗅覚の違いから、ちょっと考えを巡らせてみようと思います。
味覚は、甘味、酸味、塩味、苦味、うま味の基本的な5要素があり、さらに舌に触れる時の面積、刺激や温度という感覚で大きく左右されます。氷で冷やしたままのコーヒーを蓋付きのカップからストローでという飲み方は、どうしても感じ取れる要素が少なくなってしまいます。また通常、アイスよりもホットの方が外気温との差が大きいので、時間が経つにつれて感じる風味の変化も大きいということになります。ホットを一気飲み出来る人はそんなにいないでしょう(笑)
嗅覚で嗅ぎ分けられる成分は数千種類に及び、コーヒーにも千種類くらいの香り成分が含まれていて、未だ全ては分かっていないそうです。当然、香りは熱い方が良く出る上、近くに置いておくだけでも感じられます。
このように考えてみると、ホットの方がコーヒーの本領を余すことなく味わえるということかもしれません。
この日、常連さんと様子を見に来てくれた本店ガロのマスター(写真左)に面と向かって話したら、「うちのアイスならそんなの関係ない!しっかり淹れることだけ考えろ!!」と怒られそうですが(笑)