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2024年9月1日 投稿者: somacoffeekyoto
Q&A, コーヒー用語集

コーヒーの歴史・文化まとめ

コーヒーの歴史・文化まとめ
2024年9月1日 投稿者: somacoffeekyoto
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歴史と文化 | コーヒー用語集 | Soma Coffee Kyoto
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目次

  • コーヒーの歴史
  • コーヒーの文化
  • 関連用語

コーヒーの歴史:一杯の物語、世界を巡る旅

コーヒーの香りは、朝の始まりを告げ、午後のひとときに安らぎを与え、夜の語らいを深めます。一杯のコーヒーには、数世紀にわたる人類の歴史と文化が凝縮されています。エチオピアの山々から、アラビアの港、ヨーロッパのカフェ、そして世界各地の食卓へ。コーヒーの旅は、単なる飲料の普及史にとどまらず、人々の生活、経済、そして社会のあり方に深く関わってきた壮大な物語です。

神秘的な始まり:コーヒーの起源

コーヒーの起源は、エチオピアのカッファ地方 (Kaffa) の高地にあるとされています。最も有名な伝説は、9世紀頃、羊飼いのカルディ (Kaldi) が、ヤギが赤い実を食べた後に興奮し、活発になる様子を偶然目撃したというものです。カルディ自身もその実を試すと、不思議な活力を感じ、これがコーヒーの発見につながったと言われています。

当初、コーヒーは食用でした。豆を煎るという概念はなく、果肉を乾燥させて食べたり、動物の脂肪と混ぜて携帯食にしたり、果肉を発酵させてワインのような飲み物(カフワの原型)を作ったりしていたと考えられています。また、その覚醒効果から、宗教的な儀式にも用いられ、修道士たちが眠らずに祈りを捧げるために利用したという説もあります。

豆知識

コーヒーの語源は、アラビア語の「カフワ」(Qahwah) で、元々はワインを意味する言葉でした。コーヒーがワインのような飲み物として認識されていたことが伺えます。

アラビアへ:文化の中心へ

15世紀頃、コーヒーはイエメンに伝わり、イスラム世界へと広がりました。特にスーフィー(イスラム神秘主義者)たちは、夜間の宗教儀式で眠気を払い、集中力を高めるためにコーヒーを重宝しました。メッカやカイロなどの都市にはコーヒーハウス(カーヴェハーネ)が誕生し、情報交換や文化交流の場として発展しました。

モカ港 (Mocha) は、コーヒー豆の主要な輸出港として栄え、その名は高品質なコーヒーの代名詞となりました。「カフワ」は「元気づけるもの」という意味を持ち、アルコールが禁じられているイスラム教徒にとって、社交の場での重要な飲み物となりました。コーヒーハウスは知識人や芸術家が集うサロンのような役割も果たし、文化の発展に大きく貢献しました。

豆知識

16世紀のオスマン帝国では、コーヒーを飲むことが宗教的な理由で禁止された時期がありました。しかし、コーヒーの人気は衰えず、禁止令は撤回されました。

コーヒーの普及は、その刺激的な作用から、宗教指導者などから異端視されることもありました。しかし、その効能が次第に認められ、受け入れられていきました。

Q: コーヒーはいつ、どこで発見されたのですか?
A: 9世紀頃、エチオピアのカッファ地方で、羊飼いのカルディによって発見されたという伝説が有名ですが、正確な起源は定かではありません。

ヨーロッパへ:新大陸と黒い飲み物

17世紀、コーヒーはヨーロッパにもたらされ、当初はその風味から「悪魔の飲み物」とまで呼ばれました。しかし、商人や旅行者を通じて徐々にその魅力が広まりました。ヴェネツィアの商人たちが最初に持ち込んだと言われています。1615年には、教皇クレメンス8世がコーヒーを試飲し、「異教徒だけに飲ませておくのは残念だ」と言ったという逸話があり、これがコーヒーの普及を後押ししたとされています。

ヨーロッパ各地にコーヒーハウスが誕生すると、そこは政治、経済、文化の中心地となりました。ロンドンのコーヒーハウスは「ペニーユニバーシティ」とも呼ばれ、わずかなお金で知識人たちの議論に参加できる場として、啓蒙思想の発展に貢献しました。ロイズ保険組合も、元はエドワード・ロイドのコーヒーハウスから始まりました。フランスでは、ヴォルテールやルソーといった思想家たちがパリのプロコープなどのコーヒーハウスで議論を交わし、フランス革命の思想的基盤を形成する一助となりました。

当初、コーヒーは薬局で販売されることもあり、薬効が期待されていました。しかし、独特の風味と社交の場としての魅力が、嗜好品としての地位を確立していきました。コーヒーハウスは、新聞やパンフレットなどの情報が共有される場でもあり、当時の情報伝達に重要な役割を担いました。

豆知識

バッハは「コーヒー・カンタータ」という曲を作曲しています。コーヒー好きの娘と、それをやめさせようとする父親のやり取りがコミカルに描かれています。

Q: ヨーロッパで最初のコーヒーハウスはどこにできたのですか?
A: 1650年、イギリスのオックスフォードに最初のコーヒーハウスができたと言われています。ただし、ヴェネツィアには1645年にコーヒーを提供する店があったという記録もあります。

世界へ:プランテーションの時代

18世紀、ヨーロッパ列強による植民地支配の拡大とともに、コーヒー栽培は世界各地へ広がりました。オランダはインドネシア(特にジャワ島)で大規模なプランテーションを開発し、一大産地を築き上げました。フランスの海軍将校がコーヒーの苗をフランス領ギアナに持ち込んだことをきっかけに、中南米へのコーヒー栽培の道が開かれました。フランスはカリブ海の島々や南米に、イギリスはインドやアフリカにコーヒー栽培を広めました。

特に、ブラジルは19世紀以降、世界最大のコーヒー生産国として台頭しました。しかし、この背景には、過酷な労働条件や奴隷労働といった負の側面も存在します。1888年にブラジルで奴隷制が廃止されるまで、多くのアフリカ人がコーヒー農園で強制労働に従事させられました。

中南米では、コロンビアやグアテマラ、コスタリカなどが主要な生産国となり、それぞれ独自の風味を持つコーヒーを生み出してきました。コロンビアでは、家族経営の小規模農園が多く、高品質なアラビカ種コーヒーの生産に力を入れています。

アフリカでは、エチオピアに次いで、ケニアやタンザニアなどが高品質なコーヒー豆の産地として知られています。

アジアでは、ベトナムがロブスタ種の生産で世界有数の規模を誇ります。インドネシアは多様な種類のコーヒー豆を生産しており、スマトラ島やスラウェシ島などの地域で栽培されるコーヒーは、独特の風味で知られています。

現代:多様化するコーヒー

20世紀に入ると、コーヒーの楽しみ方は大きく多様化しました。1901年、日本人の科学者、加藤サトリが世界初のインスタントコーヒーの製法を開発しました(アメリカで研究中)。その後、ネスレがインスタントコーヒーを改良し、第二次世界大戦中に兵士の携帯食として普及しました。缶コーヒーも日本で生まれ、1969年にUCC上島珈琲が世界で初めて発売しました。

エスプレッソマシンの発明は、イタリアのコーヒー文化を大きく変えました。1905年にルイジ・ベッツェラが最初の蒸気式エスプレッソマシンを発明し、その後、クレマと呼ばれる泡を持つ現代的なエスプレッソマシンが開発されました。家庭用ドリップ器具の進化も、メリタ社によるペーパードリップの発明などにより、自宅で本格的なコーヒーを楽しむ文化を育てました。

近年では、サードウェーブコーヒー (Third Wave Coffee) ムーブメントが起こり、コーヒー豆の品質、産地、焙煎、抽出方法へのこだわりが再び注目されています。生産者との直接的な関係を重視するダイレクトトレードも活発になり、より高品質で倫理的なコーヒーが求められるようになっています。

コーヒー業界団体

コーヒー業界の発展には、様々な業界団体の活動が貢献しています。 世界的に影響力のある団体の一つが、SCA (Specialty Coffee Association) です。SCAは、スペシャルティコーヒーの基準策定、教育プログラムの提供、イベント開催などを通じて、コーヒー業界全体の品質向上と発展を推進しています。元々はSCAA (Specialty Coffee Association of America) と SCAE (Specialty Coffee Association of Europe) がありましたが、2017年に統合されました。

日本では、日本スペシャルティコーヒー協会 (SCAJ) が、スペシャルティコーヒーの普及や技術者の育成に力を入れています。

これらの団体は、生産者、ロースター、バリスタ、そして消費者をつなぐ役割を果たし、コーヒー文化の発展に不可欠な存在です。

Q: サードウェーブコーヒーとは何ですか?
A: コーヒー豆の品質、産地、焙煎、抽出方法にこだわり、コーヒーをより深く楽しもうとする近年のムーブメントです。

コーヒーの文化:地域ごとの彩り

コーヒーは、単なる飲み物としてだけでなく、各地域で独自の文化を育んできました。その飲み方、提供方法、そしてコーヒーを囲むコミュニケーションの形は、その土地の歴史や風土を映し出しています。

ヨーロッパのコーヒーハウス文化

17世紀から18世紀にかけて、ロンドン、パリ、ウィーンなどの都市に誕生したコーヒーハウスは、知識人、商人、政治家などが集う社交場となり、新しいアイデアや情報が飛び交う活気ある空間でした。ウィーンのコーヒーハウスは、トルコ軍の侵攻時に残されたコーヒー豆がきっかけで誕生したと言われています。

ロンドンのコーヒーハウスは、特定の顧客層や話題に特化し、現代の専門誌やクラブのような役割を果たしていました。芸術家、文学者、株取引など、多様な交流が生まれました。エドワード・ロイドのコーヒーハウスが、後にロイズ・オブ・ロンドンになったのは有名な話です。

トルココーヒー:伝統と占い

トルココーヒーは、微細に挽いたコーヒー豆を水と砂糖と一緒にジェズヴェ (Cezve) と呼ばれる小さな鍋で煮出す伝統的な抽出方法で作られます。ろ過しないため、カップの底にコーヒーの粉が残ります。

トルコでは、コーヒーは客をもてなす際の重要な儀式の一部です。食後や来客時に供され、ゆっくりと時間をかけて味わいます。飲み終わったカップに残ったコーヒーの粉の模様で占いをする習慣(タッセオグラフィー)も有名です。

豆知識

トルコには「一杯のコーヒーには40年の思い出がある」ということわざがあります。コーヒーを通じた人との繋がりを大切にする文化が伺えます。

イタリアのエスプレッソ文化:立ち飲み

イタリアでは、エスプレッソ (Espresso) が国民的な飲み物です。街のいたるところにあるバール (Bar) で、エスプレッソを立ち飲みするのが日常的な光景です。イタリア人は、エスプレッソを「un caffè(ウン・カッフェ)」と注文することが一般的です。

カプチーノやラテも人気ですが、午前中に飲むのが一般的で、午後はエスプレッソをストレートで楽しむ人が多いです。エスプレッソは、コミュニケーションやリフレッシュの手段であり、バールは地域住民の交流の場としての役割も担っています。

豆知識

イタリアでは、カプチーノを午後に飲むことは一般的ではありません。消化を助けるために、食後にエスプレッソを飲む習慣があります。

日本の喫茶店文化:静寂とこだわり

日本のコーヒーの歴史は、江戸時代末期にオランダ人によって長崎に持ち込まれたのが始まりとされています。本格的に広まるのは明治時代以降で、喫茶店 (Kissaten) の登場が大きなきっかけとなりました。

明治時代、西洋文化の流入とともに、東京や横浜などの都市部に喫茶店が登場し始めました。大正時代から昭和にかけて、独自の喫茶店文化が花開きました。クラシックな内装、静かな雰囲気、そして丁寧に淹れられた一杯のコーヒーは、忙しい日常から離れて落ち着いた時間を過ごすための空間を提供しました。純喫茶では、サイフォンやネルドリップで丁寧に抽出されたコーヒーや、自家焙煎の豆を使ったこだわりの一杯を楽しめます。

戦後、インスタントコーヒーやアメリカンスタイルのコーヒーショップが登場し、日本のコーヒー文化は多様化しました。1990年代後半からは、シアトル系コーヒーチェーンやコンビニコーヒーが普及し、より手軽にコーヒーを楽しめるようになりました。2010年代からは、サードウェーブコーヒーの潮流が日本にも押し寄せ、シングルオリジンや高品質なスペシャルティコーヒーを提供するカフェが増加し、新たなコーヒー文化を形成しています。

豆知識

日本で初めての喫茶店は、1888年に東京・上野に開店した「可否茶館」だと言われています。

東アジア、東南アジアのコーヒー文化

近年、東アジアや東南アジアにおいても、独自のコーヒー文化が発展しています。

中国では、経済成長とともにコーヒー市場が急速に拡大し、都市部を中心にスペシャルティコーヒーへの関心が高まっています。

韓国では、おしゃれなカフェ文化が成熟しており、デザイン性の高い空間で高品質なコーヒーを楽しむスタイルが人気です。

ベトナムは、ロブスタ生産国であり、コンデンスミルクを加えて飲む「カフェ・スア・ダー」が国民的な飲み物です。

タイでは、北部山岳地帯を中心にアラビカ種の栽培が盛んになり、高品質なタイ産コーヒーが国際的にも評価されています。

インドネシアは、多様な風味のコーヒー豆が栽培されています。ユニークな精製方法で作られる「コピ・ルアク」は、高級コーヒーとして知られています。

北欧のコーヒー文化:品質への探求

北欧諸国(スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、フィンランドなど)は、世界でも有数のコーヒー消費国であり、スペシャルティコーヒー文化を牽引しています。コーヒー豆の品質、焙煎、抽出技術に非常に高いこだわりを持ち、浅煎りで豆本来の風味を最大限に引き出すスタイルが特徴です。

北欧のカフェでは、シングルオリジンの豆を丁寧にハンドドリップで淹れることが一般的で、バリスタの技術も重視されます。カフェのデザインはミニマルで機能的、落ち着いた雰囲気の中で高品質なコーヒーをじっくりと味わえます。「フィーカ (Fika)」と呼ばれる、コーヒーを飲みながら語らう習慣も、北欧のコーヒー文化を象徴するものです。

ラテンアメリカとアフリカのコーヒー文化

コーヒーの主要な生産地であるラテンアメリカとアフリカでは、それぞれの地域で豊かなコーヒー文化が育まれています。

ブラジルは世界最大のコーヒー生産国であり、国内消費量も非常に多いです。カフェジーニョと呼ばれる小さなカップで提供される濃いコーヒーが一般的です。

コロンビアは、高品質なアラビカコーヒーの生産地として知られています。家族経営の小規模農園が多く、丁寧に栽培されたコーヒー豆が国内外で高く評価されています。

エチオピアはコーヒー発祥の地であり、伝統的なコーヒーセレモニーが今もなお受け継がれています。生豆を焙煎し、挽いて、ジェベナと呼ばれる土器で煮出す儀式は、客人をもてなす大切な文化です。

ケニアやタンザニアなどの東アフリカ諸国も、高品質なアラビカコーヒーの産地として知られています。フルーティーで明るい酸味が特徴です。

コーヒー生産者の現状

コーヒーの歴史を語る上で、生産者の存在は欠かせません。長らく、コーヒー生産国では、不安定な市場価格や、大規模プランテーション経営者による搾取に苦しめられてきた歴史があります。

近年では、フェアトレードやダイレクトトレードといった取り組みを通じて、生産者が適正な価格でコーヒー豆を販売し、生活を向上させるための動きが広がっています。フェアトレード認証コーヒーの購入は、生産者の生活を直接的に支援できます。また、高品質なコーヒー豆を作ることで、より高い収入を得られるようになり、持続可能なコーヒー栽培への意識も高まっています。

消費者がコーヒーを選ぶ際に、生産者の物語や倫理的な取り組みに目を向けることで、より良い未来を築くことができます。

関連用語

  • カルディ (Kaldi): コーヒー発見の伝説に登場するエチオピアの羊飼い。
  • カッファ地方 (Kaffa): コーヒーの原産地とされるエチオピアの地域。
  • モカ港 (Mocha): かつてコーヒー豆の主要な輸出港として栄えたイエメンの港。
  • コーヒーハウス (Coffeehouse): 17世紀以降、ヨーロッパ各地で誕生した社交場。
  • サードウェーブコーヒー (Third Wave Coffee): コーヒー豆の品質や抽出方法にこだわる近年の潮流。
  • ダイレクトトレード (Direct Trade): 生産者から直接コーヒー豆を買い付ける取引。
  • ジェズヴェ (Cezve): トルココーヒーを煮出すための小さな鍋。
  • エスプレッソ (Espresso): イタリア発祥の、圧力をかけて抽出する濃縮コーヒー。
  • バール (Bar): イタリアの一般的な喫茶店。
  • 喫茶店 (Kissaten): 日本独自のコーヒーを提供する飲食店。
  • SCA (Specialty Coffee Association): スペシャルティコーヒー業界の国際的な団体。
  • 日本スペシャルティコーヒー協会 (SCAJ): 日本のスペシャルティコーヒー業界団体。
  • フェアトレード (Fair Trade): 発展途上国の生産者に対し、公正な価格で取引を行う運動。

© 2023 Soma Coffee Kyoto

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