コーヒー用語集
風味とは
コーヒーの風味は、人の五感を刺激する複雑な要素の組み合わせです。 それは、コーヒー豆の品種、産地、精製方法、焙煎度合い、抽出方法など、様々な要因によって変化します。
素材・加工・環境による多様な風味の変化
コーヒーの風味は、豆の種類をはじめとする素材、焙煎、挽目、抽出時の分量、温度、時間、使用する水などの加工法によって、抽出液に含まれる実際の溶解成分の違いによる風味変化が起こります。 そして、飲む時の香り、温度、カップの形状、一緒に食べるものなど、味覚の性質による感じ方の変化も実際の現象として起こります。 さらに風味には、その場所や一緒にいる人など、様々な環境や心理的な要因までもが織り重なることで、本来の姿として複雑なグラデーションを持つものとなります。
五味(味覚神経にある受容体の種類)
- 甘味 (sweetness): コーヒーに含まれる砂糖のような甘味を持つ糖分はごくわずかです。香りや粘性のある質感など、甘さを想起させる総合的な感覚ではないかというのが通説。
- 酸味 (acidity): コーヒーに含まれる有機酸などによる酸味。爽やかさ、フルーティーさなどの感覚につながります。
- 苦味 (bitterness): コーヒーに含まれるカフェイン、クロロゲン酸、メラノイジンに代表される褐色物質などによる苦味。
- 塩味 (saltiness): コーヒーと抽出用の水に含まれるミネラル(カリウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム)などによる塩味。味としてハッキリとは感知出来ないほど微量ですが、例えば、水の硬度によっては甘味や酸味を引き立てたり、苦みボディーを強くしたりと、より複雑な味わいにつながります。
- 旨味 (umami): コーヒーに含まれる微量なコーヒーオイル、タンパク質(アミノ酸)、繊維質などによる旨味。抽出液に若干の粘性をもたすことでコク、深みなどにつながります。
- 辛味
- 喉越し
- 返り香
五味以外の味覚
風味の構成
- アロマ (aroma): コーヒーの粉の状態、または抽出前のコーヒーから立ち上る香り。
- フレーバー (flavor): コーヒーを口に含んだ時に感じる香り、味、触感の総合的な印象。
- アシディティ (acidity): コーヒーの酸味。ポジティブな要素として捉えられ、フルーティーさ、爽やかさなどを表現。
- スイートネス (sweetness): コーヒーの甘味。ポジティブな要素として捉えられる。
- ビターネス (bitterness): コーヒーの苦味。
- ボディ (body): コーヒーの質感。
- アフターテイスト (aftertaste): コーヒーの後味。
- ユニフォーミティー (uniformity): コーヒーの均一性。
風味の評価方法
- テイスティング (tasting): コーヒーの風味を評価する行為全般。
- カッピング (cupping): コーヒーの品質を評価するための専門的なテイスティング方法。世界標準のルールにの則って行われるもの。
- フレーバーノート (flavor note): コーヒーの風味を特定の言葉で表現したもの。例: チョコレート、ナッツ、ベリーなど。
- フレーバーホイール (flavor wheel): コーヒーの風味について、各フレーバーノートの関係を体系的に分類した図。
- 濃度 (strength): コーヒーの成分の濃さ。
- 収率 (Extraction yield): コーヒー豆(粉)の量に対する、抽出液中に取り出された成分量の割合。
- ブリューイング (brewing): 直訳すると醸造となるが、コーヒーの場合は抽出と同じ意味。
- ブリューイングコントロールチャート (brewing control chart): ブリューレシオ・濃度・収率の関係を科学的な実験に基づいて表したグラフ。コーヒーの抽出を客観的に分析したり、コントロールしたりするために用いることが出来る。