8月24日のWEIN研究会に参加して来ました。
京都学園大学の中川重年先生が、震災直後から幾度も現地を訪れ支援されている様子を紹介して頂きました。
被災地の方へ食料、機材など物資の提供やアルプホルンの演奏会といった心のケアを含めた支援から、実際に被災地に行くことの出来ない学生さんたちの手助けをされるなど、多岐に渡ってご尽力されています。
また、この日のテーマは被災地での薪・炭・バイオマス燃料の利用法についてでした。
木質バイオマス燃料や太陽光などの熱を利用して発電が可能なスターリングエンジンというものがあります。
その研究、普及に努めていらっしゃるWEINの大塚さんや(株)eスターの赤澤さんのお話も伺うことが出来ました。再生可能エネルギーの安定供給やコージェネレーションでの省エネ化にとって重要な技術だと思い、当店でも使えないかと個人的にも探していたものです。残念ながら一般向けの普及価格帯に至るまでにはまだ時間がかかるそうです。今後の発展に注目したいと思います。
そこで私は、TEG Power社のSource1というペルチェ素子を使う熱電発電機を持って行って、皆さんに見て頂きました。
小型で空冷式なのでかまどやコンロ、ペレットストーブなど熱源の上に載せるだけで発電します。(写真参照)
出力は最大12Vで30wと小さいですが、「すぐに」「簡単に」「持ち運べる」という利点があり、緊急時やアウトドアで活用しやすいものです。インフラに不安のある地域では、煮炊きのついでに電気もつくり、バッテリーに蓄電しておいて非常用電源とするのも有効な活用法だと思います。携帯の充電程度の出力ならいくつか類似品もあるのですが、ようやく使える商品として完成度の高いものが見つかりました。
これについても、出席された方たちと貴重な情報交換をさせて頂きました。
今後出店しながら、ペレットストーブと組み合わせた熱電発電を実演して行きますので、ぜひ多くの方にご覧頂きたいと思います。
しかし、現地の廃材利用について大きなニュースにもなりこの場でも問題となったのが、一部地域の木材から放射性物質が検出されている事実です。
燃やすことで拡散を助長してしまうのではないか。
事前の検査が必要ではないか。
原発周辺地域の森林資源にどの程度被害が及んでいるのか。
資材として他の地域に持ち出してもいいのか。
除染は可能なのか。
公けに答えを出すのは非常に困難な問題が提起されました。
広範囲で長期的な低線量状態での影響に確定的な統計がない上、個人や小さな団体で測定しても、その結果を他者に保証することは出来ないのです。心理的な不安を抑えるための予防的な措置を各々の判断でするしかないというのが現状だと思います。
とは言え現地で廃材は、暖を取り、その日食べる米を炊き、風呂に入るための湯沸しなどに必要なものとして使われている所もあります。
そういった些細なことにさえ疑心暗鬼にならざるを得ないことが重く圧し掛かります。
上に書いたような再生可能エネルギーの利用法は、その負担を減らせるでしょうか。
多少の助けになるものもありそうですが、今のところこちらもまた困難な課題を抱えたままです。
それでも限られた条件で活路を見出していく他ないのでしょう。研究会でのお話を参考に、実践を深めていきたいと思います。