AIコーヒーってどうなの?

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    AIコーヒーの現在

    現時点(2025年)でもコーヒーに関する情報やレシピについてAIに尋ねてみると、「それっぽい答え」は返って来ます。

    そのレベルは、次のような業態の維持に対する不安さえささやかれるほどです。

    • もはや(広い意味での)バリスタ、ロースターという職種は不要になるのでは?
    • 個人や中小企業による商品・サービスの差別化がより難しくなるのでは?

    AIが普及する以前から、当店はコーヒーに残された課題を解決に導くような次世代のノウハウやツールを探し求めて来たので、関連情報の収集と分析を行いながら、自身の手による製作も試みて来ました。

    いわゆる、「バイブコーディング(Vibe Cording)」の登場を皮切りに、AIを活用することで専門家以外にもアプリやデバイス開発への門戸を開くこととなった技術革新は、当店にも大きな変化をもたらしました。

    長年の構想を実現するために必要だった「具体的な手段」が与えられて以来、コーヒーに関する新たなツールの開発に日々取り組んでいます。

    そして…

    当店の実験的な開発環境では、コーヒー分野におけるAI活用事例として、マイルストーンの一つに当たるであろう次の実績についても達成済みです(2024年)。

    AI生成レシピによる抽出デバイスの自動制御

    🔗IoTコーヒーメーカー「Rainmaker Ver.0.82」

    結果としては…次に尽きます

    • 一貫性がない

    AIモデルや時々によってレシピの完成度にバラつきが大きい

    • AIを活かすための下地がない

    コーヒーレシピとして十分な回答を得ることをはじめ、対応可能なデバイス(組み込みソフト・クラウド含む)、日常生活への浸透度まで鑑みれば、まずはAIとコーヒーをつなげるために最低限必要な環境から整備して行く必要がある

    ※コーヒー分野だけでなく、様々な分野の垣根を越える総合的かつ専門的なノウハウを習得する必要がある

    例えば、「人に代わってAIが○○したコーヒーを謳うビジネス」は十分に可能な段階だと思いますし、世界のどこかではすで何らかの形で事業化が進められていると思います。

    ※○○には、生産から消費に至るまでのあらゆる段階が入る可能性があります

    何より、4th wave(仮)の実現とは、「これまでの手法では情報としての外部化が適わなかった領域の知識や技術についても共有可能にする」ということと同義であることから、パーソナルAIのような高度なツールの助けなしには成し遂げられない進化と言えます。

    しかしながら、現時点(2025年)での抽出プロセス制御における本格的なAI導入については時期尚早、と当店は判断しています。

    AIを活かすには準備不足

    AI(LLM:大規模言語モデル)という人工的なプログラムの仕組み上、「一定の規模と水準を満たすパブリックなデータベースにアクセス出来ない限り、現実世界の複雑さに対応した有効性と安全性の高いシステムの構築は不可能」という事実が判明しているから。

    AIは何でも出せる魔法の箱ではなく、あくまでも、人が整えた種と仕掛けというルールに則って動く道具です。

    (その「見かけの動き」について、どう感じるかは人ぞれぞれとして…)

    現時点では、AIがレシピ生成に当たって参照する「コーヒー抽出に関する情報」という材料(種)にも、「生成用アルゴリズム」という工程(仕掛け)にも、上記の条件を満たすだけの信頼性が担保された情報源は存在しません。

    ※私が知らないだけだった場合は、ぜひお知らせください。

    ランダム性が高いWEB情報を寄せ集めるだけでは、客観性や信憑性の高い情報源(ソース)となり得ない

    つまり、AIも私たちと同じで、「何をどう扱えば正しい答えに辿り着くことが出来るのか?」という未知のピースを探している段階なので、(少なくとも、コーヒー抽出に関する回答については、)そこまで当てにしたり、鵜呑みにしたりしない方が良いということでもあります。

    以下、一部抜粋: 【最新β版】ハンドドリップレシピ生成&ガイドアプリ – Drip-Navi

    ”例えば、冒頭の紹介動画はAIによる自動生成なのですが、(少し前のAIモデルが使用されていることもあり、)典型的な症状が見て取れます。

    私の作った台本(プロンプト)では、「完璧」や「最高」「魔法」といった誇張表現を用いないように厳重に指示しているにもかかわらず、ナレーション中では繰り返し登場しています。

    この症状は、私の指示程度では覆せないほど、AIが学習して来た古今東西のコーヒーに関する一般的な表現において、それらの言葉との結び付きが強い(優先順位が高い)という統計的事実から表れるものです。

    このような場合、こちらがAIにああしろ、こうしろと細かく指示する(プロンプトを工夫する・AIの読解力を補助する)だけで解決するレベルの話ではなくなって来ます。

    「コーヒー表現の在り方」という、根元にあるデータベース(種)の情報が更新されない限り、改善の見込みはないからです。”

    本来のLLM(大規模言語モデル)は、「次に来そうな言葉を当てる」ために開発されたプログラムなので、昔から、私たちが映画や本などを通じて想像をふくらませて来たような人工知能(AI:Artificial Intelligence)の中身とは似て非なるものです。

    ※GOOGLE:Transformer

    とは言うものの、現状の進化のペースなら、LLM(以下、広義のAI)の方が早く未知のピースを探り当てるだろうと思います。

    なぜ、そんな予想が出来るのかと言うと、それらの見付け方や作り方について、当店はすでに知っているからです。

    今はただ、情報同士のつながりを見付けられない(一般的な公開情報の範囲では関連性が薄い)だけであり、AIの優れたパターン解析能力を持ってすれば時間の問題です。

    その精度の改善に当たっては、WEB上の検索頻度や登場件数と論理的関連性の強度は一致しないという「多数決のパラドックス対策」が必須であり、より複雑な現実を反映したパラメータ、ロジック、統計といった採用基準に重み付けを割り振る方向しかないからです。

    その証左の一つが、次のアプリの基盤として当店が開発し、すでに稼働しているAI連携型コーヒーデータベースシステムになります。

    🔗超理解!コーヒークイズアプリ – β版

    AIとの付き合い方

    コーヒーをエンジニアリング(工学)という理論的・技術的な側面から捉える際、重要なのは、「誰が言ってるか?(この場合はAIも含む発信者)」ではなく、「何を言ってるのか?(内容)」です。

    いわゆる、的外れな回答や勝手な暴走をはじめ、AIの動作についての信頼性に関する疑いがまだまだ晴れない状況であることは、ご自身の体験を持って、多くの方が承知されていることと思います。

    また、それをコミュケーションツールとして活用する際の課題の一つとして、「不気味の谷」と呼ばれる現象があります。

    人同士のやり取り(インターフェイス)に求められる「人間味」や「気遣い」のような、感性や本能に根差した領域において、どこまで人の習性との調和を得ることが出来るのか?

    あるいは、どこまで(人の気分や身体を害さないように)協調させる必要があるのか?

    それらの課題には、AI側の問題だけでなく、「ユーザー側がAIを上手に扱うためのノウハウが未成熟」という問題も含まれています。

    2025年現在、AIとの関係性が多くの人々の期待に対して十分に応えられる段階までは至っていないことが明らかになりつつある中で、(さながらSF映画の展開をなぞるように、)「幻滅期」を迎えているとも言われています。

    しかし、今はまだ私たちがその違和感に気付く確率が高い段階というだけで、ほとんどの人が気付けなくなる段階が、もう間もなく訪れるとしたら?

    熱狂が冷めた後、粛々と進められる大規模な基盤整備による社会実装(後期段階)が実現してからが、AI時代の本番と考えています。

    当店はAIそのものを作れるほどの専門家ではありませんし、それ自体が良いか悪いか、人を越えるかどうかといった哲学的なテーマは扱いません(「議論のための議論」と呼ばれる不毛なループに陥るのを避けるため)。

    少なくとも、「AIが私たちの生活をより便利に(もしかしたら豊かに)してくれる未来」という可能性があるのなら、それをただ待つよりも自分で作る方が楽しいということだけは、どんな時代や場所でも変わらないのではと思います。

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