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2021年5月1日 投稿者: somacoffeekyoto
Q&A, ホームコーヒーについて

コーヒー豆・粉の選び方は?

コーヒー豆・粉の選び方は?
2021年5月1日 投稿者: somacoffeekyoto
Q&A, ホームコーヒーについて
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    コーヒー豆はどこから来るの?

    コーヒー豆は「コーヒーノキ」という樹木の種子で「コーヒーチェリー」と呼ばれる果実の中に作られます。

    その栽培にとって気候的に適した地域は、赤道沿いの熱帯気候かつ火山性の土壌を持つ高山帯を抱く国々で「コーヒーベルト」と呼ばれています。気温、標高、日照量、降水量、寒暖差、土壌の組成などの自然環境と、それらを利用して生育環境や製造環境を整える生産者様によってコーヒー豆の風味に豊かな個性が生み出されています。

    そのような生産地から遠く離れた日本で私たちが口にする機会のあるコーヒーのほとんどは、専門の輸出入業者様、商社様を経由して流通しています。

    ※世界中に数多く存在する生産者や団体と品質が保証された生豆を直接取引し、管理体制の整った流通システムを経て輸入・販売が出来る主体は小売店の数に比べてごくわずかです。当店も含めて小規模であったりコーヒーサービスを軸とする事業主体がそれを行うには移動・輸送・保管に掛かるコストやリスクが高過ぎるという現実的な障壁があります。

    コーヒー豆にも品種、生育環境、収穫・精製方法、風味などの様々な分類があり、現在ではあらかじめ生産国や業界団体ごとの基準による評価付けが行われているものが多くなっています。

    世界的に見ても消費量が多い日本国内で一般的に流通しているものは、そういった評価が最低でも中位から上位といった中から選ばれており、さらに用途や購買層向けに細かい振るい分けも段階を経るごとになされています。大別すると以下のようになっています。

    • コモディティー

    個性に差異が少ない汎用・普及帯

    →インスタント・各種加工品 ・ 工場大量生産品 ・ チェーン店・飲食店向け

    • スペシャルティー

    豊かな個性を持つ希少価値・高付加価値帯・全体の上位5~10%

    →専門業者・自家焙煎店向け

    生産から消費までの分業体制や商品構成は概ね整っているという歴史的な背景から、世界的な基準で一定以上の品質は確保されている恵まれた環境と言えます。

    こういった土台があるからこそ、私たちは日常的に様々なコーヒーと巡り合うことが出来ます。

    ※ここでは概要のご紹介のみですが、より詳細な仕組みや改善を必要とされている問題は存在します。特に地域間の経済格差に関して取り沙汰される面があるのは確かですが、残念ながらそれは「コーヒー」そのものに起因・限定された話ではありません。

    以下ではその中から、よりご自身のお好みに合う風味のコーヒーを探すために必要な、いくつかの選択基準についてご紹介して行きます。当店も含めてお店やサービスとしての個性やコンセプトといった要素は除外することで、多くの方に共通する要素についてご理解頂くことを主眼とした解説となるようにしています。

    まずは最も風味の差が分かりやすいポイントに絞って注目し、それらを実際に飲み比べることで自分の好みを知る所から始めてみましょう。

    ご選択にあたってのポイント

    【生産国や地域と品種】

    コーヒー豆の風味に豊かな広がりが生まれる根本的な理由は、農産物としての気候風土、品種、栽培・収穫・精製方法の多様さです。

    お好み探しで豆をお選びになる際は、生産地や混合割合が分からない「~ブレンド」を避け、「シングル」や「ストレート」と呼ばれるような単一地域を表すタイプで試してみましょう。

    品種や精製方法って?

    かつては同一国内では、その地域での栽培に向いている同一品種が多くを占めるという状況でしたが、近年は同じ国や農園であっても、異なる品種や精製方法を用いることで風味に他にない特徴を与えたり、ラインナップを広げたりする動きが活発です。

    生産国という分類だけに収まらない、風味にフルーツ系の特徴をもたらす品種と精製方法についてご紹介します。

    ・ゲイシャ種 

    まず二大品種と言われるアラビカ種(スペシャルティー向け)・ロブスタ種(コモディティー向け)があります。

    ゲイシャ種もアラビカ種の中に何十種類とある中の一つです。かつてから有名なティピカ種やブルボン種とは異なり、比較的新しく価値を見出され現在のブームの火付け役となった品種。

    成分にフルーツ・フローラル系の風味を呈する酸や香気成分が多く含まれ、複雑な強い香りと酸味が主体でコクは少な目の傾向。

    栽培条件がデリケートで希少価値が高いことからも評価付けはスペシャルティーの中でもトップクラスとされるものが多い。

    ・ナチュラル・ハニー・アナエロビック精製など

    精製方法とは、収穫したコーヒーチェリーを「生豆」と呼ばれる乾燥状態に加工するまでの工程。

    「ウォッシュド」が最も一般的で、果実を短時間発酵させて種子を取り出した後、水洗いしてから乾燥させる方式。

    それに対して果実のまま乾燥させてから種子を取り出す「ナチュラル」、一部分だけを残す「ハニー」、いずれも種子を取り巻く果肉が、環境に潜在する細菌や人工的に添加した酵母の力で発酵されて出来る成分を種子に浸透させる方式。

    天日、日陰環境での好気性発酵と「アナエロビック」と呼ばれる密閉環境での嫌気性発酵がある。

    近年はそれらを複合させた方法も次々に登場しています。

    ・コピ・ルアク

    世界一希少(高価)なコーヒーというキャッチフレーズで有名。東南アジアに生息するジャコウネコがコーヒーチェリーを食べて、体内で発酵した種子が排出されたもの。その分泌液は得も言われぬ味わいをコーヒーに~。

    随分前から養殖?ものや他の動物が使われているものも出回っているようです。

    これらは現在注目を集めている一例で、生育条件、品種、栽培方法、精製方法、さらには生豆段階での選別と混合(ブレンド)の方法まで含めた組み合わせは無数にあります。生産地では日々、新たな試みによって様々なコーヒー豆が作り出されています。

    【焙煎度】

    • 浅煎り(ライトロースト)

    焼き上がり温度低(スッキリ、酸味、フルーティー系)

    ↓

    • 中煎り(ミディアムロースト)

    焼き上がり温度中(バランス系)

    ↓

    • 深煎り(ダークロースト)

    焼き上がり温度高(コク、苦み、香ばしい系)

    はじめは上記三段階くらいの大きな区別で、風味の差を感じ取りやすいものを比べると良いと思います。

    【原産地】【焙煎度】というポイントは豆の風味を決定する上で大きなウェイトを占めています。基本的にはこの二つのポイントを確認することで、近いタイプのコーヒーを選んで購入することが出来るようになります。

    ポイントをより細分化して区別した場合の基準の一つに『焙煎方法』というものがあります。

    「直火」や「熱風」といった加熱方式をはじめとする、生豆の成分にどういったプロセスでどのような化学変化を起して行くのかといったアプローチの違いやバリエーションがあります。そして、その技術、精度、方向性によっても品質に差が生まれます。

    この点は主体によって情報を公開しているかどうかはマチマチで、当店も詳細については非公開としています。内容は少し専門的になるので、一見してお好みに合う合わないについて判断するのは難しい所です。

    実際に様々な種類の豆を試して行く中で、より詳細に当たる以下のようなポイントも含めてご判断頂けるようになると思います。

    焙煎度や焙煎方式の違いって?

    焙煎度については以下の8段階の区別が用いられる場合が一般的です。

    • 浅煎り(1ハゼ前後)

    1.ライト 2.シナモン

    • 中煎り(1ハゼ以降) 

    3.ミディアム 4.ハイ 5.シティー

    • 深煎り(2ハゼ以降)

    6.フルシティー 7.フレンチ 8.イタリアン

    こちらもあくまで大まかな目安となっており、業界の基準では明度を表すL値・アグトロン値によって分類されています。

    数値の間隔には焙煎中の豆温度で5度くらいの開きがあることや、それぞれの豆の性質や熱の通り具合でも生成される成分、つまりは風味が異なって来るため、繊細な焙煎を行う上では様々な指標を参考にしながら行われます。

    また近年は焙煎度における浅煎り方向への探求が進んだ影響で、お店によってどのくらいが浅煎りでどこからが深煎りかといった表現には幅が生まれていることには注意が必要です。

    焙煎方式の特徴についてのおおまかな分類です。

    • 加熱方式「直火」「半熱風」「熱風」
    • 焙煎プロファイルのタイプ「低温長時間 ⇒ 高温短時間」など
    • 「容量」「火力調整能力」「吸排気能力」「蓄熱性」「冷却能力」「集塵サイクロン」「消煙装置」「各種センサー・モニター管理」「自動化装置」など

    ※最下段は「手動焙煎」と「機械焙煎」の埋め難い違いを生み出す要因に当たります。それらの能力の扱い方によっては、焙煎豆の風味の安定性や鮮明さという重要なポイントにおいて大きな品質差が現れます。

    【鮮度】

    このポイントを加味することで、ご自身で作るコーヒーの品質が大きく改善される場合が多いです。

    新鮮さの基準は第一が【焙煎日】、次に【製粉(豆を挽いた)日】です。それらも確認出来ることを選択の基準に入れるようにしましょう。

    ※関連記事:コーヒー豆や粉が膨らむのはなぜ?-焙煎からエージングまで-

    ※関連記事:コーヒー豆・粉の保管方法は?

    ニュークロップって?

    生豆についての鮮度を表す呼び方で、生産地で収穫された時期が最新のものという意味です。

    コーヒー生豆は輸送方法が主に船舶であることから日本に届くまでに数か月掛かります。年をまたいで入荷されるようなことも起こりますので、昨年の物だから「オールドクロップ」という訳でもなく、収穫からの期間によっていくつかの分類があります。

    現在のコーヒー生豆は長期保管に最適な「水分含有率(または水分活性)」を維持するための専用保存袋に封入された後、温度・湿度などが管理された専用コンテナや倉庫を使って輸送されたり保管されたりするようになっています。

    そのため麻袋のみで通常コンテナが使われていた一昔前より鮮度について大きく改善され、輸送環境の異なるロット間やニュークロップとオールドクロップの間でも極端な品質の差は現れにくくなっています。

    コーヒーには「淹れ立て」「挽き立て」という言葉が鮮度を表すために良く使われていますが、実はさらに「焼き立て(焙煎し立て)」「獲れ立て」と呼べる前段階があります。

    ただ過去においては焙煎豆が販売されるに当たって、その情報が明示されることは稀だったため、多くの方にとっては未だ馴染みのない言葉となってしまっています。

    昨今ではコーヒーサービスの専門店になるほどフレッシュな風味をご提供したいという考え方を持つことが増えていることから、ニュークロップが積極的に扱われ、その詳細を明記して販売されるものが見つかりやすくなっています。

    それは物流と通信の進歩による所が大きく、一部のコーヒー業者に限らず、小規模事業者や一般の方でも高品質の生豆を入手しやすくなったことで、全体的な底上げが起こっている状況と思います。

    【価格】

    おうちで頻繁に召し上がるようであれば「高いか安いか」も無視出来ないポイントかと思います。それは、どのような商品をどのようなお客様にお届けしたいのかを考えるコーヒー業者にとっても同じです。

    冒頭に書いたように、評価付けによる振るい分けは価格にも反映されています。

    例えば「~品評会入賞」や「Qグレード90点越え」といったトップレベル評価の豆は明らかに強い風味と特徴を持ち合わせていますが、特別に手間暇かけて生産されていたり、オークション形式での競争入札が行われていたりするので価格も格段に高くなります。

    このような仕組みから、低ランク品と高ランク品の中でも「トップオブトップ」と評価された生豆の価格差は、数十倍~ものによっては数百倍という開きが生まれています。

    もちろん「価格差 = 美味しさの差」という意味ではありません。価格は他の様々な要素も含んだ上で決まるものだからです。

    上記は分かりやすくなるように最も極端な例を挙げましたが、圧倒的に流通量や種類の多い中間層においては価格と品質が逆転するようなこともありますし、どれを取ってもお好み合うかどうかとは別の問題でもあります。

    実際にいろいろな豆を試して頂いて、ご納得行くものを見つけて頂ければと思います。

    ※近年の世界的な高評価基準は強い香りと酸味を持つタイプなので、その特徴が現れやすくするために「浅煎り」を提供するお店が増える傾向にあります。

    回答全体の中でも度々「浅煎り(ライトロースト)コーヒー」について言及する箇所があります。日本では伝統的に「深煎り」が好まれて来た中で、まだまだ馴染みの少ないタイプになること。また生産から抽出までの工程、風味の味わい方まで異なる点もあることから、それらに違和感や抵抗感をお持ちのお客様も多いという実感を持っています。

    「どのような風味がお好みですか?」と当店からお客様にお尋ねした際、最も多く挙げられる特徴が「酸味の少ないもの」です。そして、その割合は9割を超えます。

    このようなギャップが生まれている理由は、その地域が気候風土や歴史的に「酸味」を味わえる果物や発酵食品ついて豊かな食文化を培うことが出来たかどうかも関わっていますが、それについてはいずれ別に解説したいと思います。

    【バリエーション】

    より豊かな個性による違いや組み合わせを楽しみたいという方は、上記に加えて「生産主体・農園」「品種」「精製方法」「焙煎方法」「~ブレンド」といったポイントを比較して、さらに深くご自身のお好みを探してみましょう。

    ※生豆による風味の差について説明を加えると、「ストレート」や「シングル」に分類されるものであっても、ほとんどは産地の収集所や農園、工場でもすでにいろいろな種類の生豆がブレンドされているというのが実態です。ですから生産年や時々の状況で風味が若干異なることは通常のこととして起こっています。

    その理由は、気候、災害、病害といった自然によるものから、生産主体には管理体制が未だ整っていない所も多く、古くからの慣習的に選別の基準が大雑把だったり、異なったりすること。また積極的に商品としての差別化を図るためであったりと様々です。

    基本的に上位にランク付けされた生豆においては、現地のキュレーターや輸出業者によって銘柄やロットごとの風味についても確認が行われた上で出荷されます。

    近年の動き(サードウェーブ)としては、それらをより統一的な基準で細かく選別・分類し、明らかに提示することで付加価値や品質を高める方向に向かっています。

    いわゆる「スペシャルティーコーヒー」や「シングルオリジン(単一農園・単一品種)」「生産者のストーリー」といった分類・評価方法もその中に含まれます。

    生豆選択における当店の方針

    最後に、当店では信頼出来るいくつかの専門業者様から上位以上の品質かつニュークロップの生豆を仕入れており、それらをお手頃な価格でご提供することを心掛けています。

    お客様のお声と当店の方針を元に、品質向上を目指して時折ラインナップを入れ替えています。

    また当店には、コーヒーが好きな方から嫌いな方、お子様から年配の方、多くの国々の方まで非常に幅広い層のお客様にご来店頂く機会があります。もとより全ての方にご満足頂けるような店ではありませんが、少なくとも、どれが良いか悪いかという評価に依らず、コーヒーが生み出す様々な魅力をお伝えしたいと考えています。

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